給与収入(いわゆる年収)から「給与所得控除」を差し引いたものが、給与所得です。この控除額は、その人の給与収入額に応じて異なります。計算結果は基本的に源泉徴収票を見ればわかるので、自分で計算する必要はありません。
目次
給与所得控除とは?
会社員などの給与所得者は、給与収入(年収)から「給与所得控除」を差し引いて給与所得を求めます。所得税などの税金は、この給与所得をもとに算出することになっています。一定額までは、給与収入が多いほど給与所得控除額も多くなります。
【早見表】給与所得控除額の一覧(2026年・2027年分)
| 給与収入額 | 給与所得控除額 |
|---|---|
| 850万円~ | 195万円 |
| 660万円~850万円 | 収入金額 × 10% + 110万円(176万~195万円) |
| 360万円~660万円 | 収入金額 × 20% + 44万円(116万~176万円) |
| 220万円~360万円 | 収入金額 × 30% + 8万円(74万~116万円) |
| ~220万円 | 74万円 |
「~」は「超 ~ 以下」
参考:2028年分以降の給与所得控除(恒久的な制度)
| 給与収入額 | 給与所得控除額 |
|---|---|
| 850万円~ | 195万円 |
| 660万円~850万円 | 収入金額 × 10% + 110万円 |
| 360万円~660万円 | 収入金額 × 20% + 44万円 |
| 約203万円~360万円 | 収入金額 × 30% + 8万円 |
| ~約203万円 | 69万円 |
※ 特例分の5万円がなくなるため、220万円以下の層では控除額が小さくなります。
給与収入が660万円未満の場合、上表で求められる給与所得控除額はおおよその金額です。ぴったり正確な金額を知りたい人は、後述の「別表第五」や「特例計算表」を参照してください。
なお、ここでいう給与収入とは、会社から受け取った給与や賞与など収入の合計金額のことです。源泉徴収票でいうところの「支払金額」部分の金額を指します。2ヶ所以上から給与を受け取っている場合は、すべて合計した金額で考えましょう。

とはいえ、給与を1ヶ所からしか受け取っていない人は、自身で給与所得を計算する必要はまずありません。給与所得の金額は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」部分で確認できます。計算が必要となるのは、複数の会社から給与を受け取っている人です。
① 年収220万円以下の場合 – 特例計算表で確認する
給与収入(年収)が220万円以下の場合、給与所得の金額は、以下の特例計算表をみれば分かります。この表に給与収入を当てはめることで、自身の給与所得を確認できます。計算をする必要はありません。
2026年・2027年の特例計算表(給与収入69.1万~220万円)
| 給与収入額 | 給与所得の金額 |
|---|---|
| 69万1,000円以上~74万1,000円未満 | 0円 |
| 74万1,000円以上~219万1,000円未満 | 収入金額 − 74万円 |
| 219万1,000円以上~219万3,000円未満 | 145万1,000円 |
| 219万3,000円以上~219万6,000円未満 | 145万3,000円 |
| 219万6,000円以上~220万円未満 | 145万6,000円 |
② 年収220万~660万円の場合 – 別表第五で確認する
給与収入220万円以上660万円未満の場合は、国税庁の「所得税法 別表第五」で給与所得を確認します。この範囲では特例による変更はなく、表に給与収入を当てはめるだけで給与所得がわかります。
所得税法 別表第五(令和2年分)※一部抜粋

令和2年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表(国税庁)
上表内の「給与等の金額」は給与収入、「給与所得控除後の給与等の金額」は給与所得を指します。たとえば給与収入が210万円の場合、表内の赤枠部分を参照すると、給与所得は「132万5,600円」とわかります。
③ 年収660万円以上の場合 – 給与所得は計算でもとめる
給与収入(年収)が660万円以上の場合、給与所得が別表第五に示されていないので計算が必要です。給与収入から給与所得控除額を差し引いて、給与所得の金額を求めましょう。給与所得控除の金額は、自身の給与収入を以下の表に当てはめることで求められます。
給与収入と給与所得控除(令和8年分以降) – 給与収入660万円超
| 給与収入額 | 給与所得控除額 |
|---|---|
| 850万円~ | 195万円 |
| 660万円~850万円 | 収入金額 × 10% + 110万円 |
「~」は「超 ~ 以下」
計算例
給与収入700万円の場合、給与所得控除額と給与所得額は下記の通りです。
- 700万円 × 10% + 110万円 = 180万円(給与所得控除)
700万円 - 180万円 = 520万円(給与所得)
特定支出控除について
給与収入から差し引けるのは、給与所得控除だけではありません。その年に会社員が自腹で支払った「特定支出」の合計金額が、給与所得控除額の2分の1を超える場合、この超過分を給与所得から差し引くことができます。この制度を「特定支出控除」といいます。
とはいえ、この特定支出に当てはまる費用は、会社側が負担してくれることも多いです。そのため、特定支出控除の対象となるケースはそう多くありません。
特定支出として認められる費用
- 通勤費
- 転居費(転勤に伴うもの)
- 研修費
- 資格取得補助費
- 帰宅旅費(単身赴任に伴うもの)
- 勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費など)※上限65万円
特定支出控除の適用を受けるためには、その年の確定申告で、勤務先の発行する「特定支出に関する証明書」の提出が必要です。
まとめ
給与所得控除の計算方法は、その人の給与収入によって異なります。ただ、1ヶ所のみから給与を受け取っている人なら、自分で計算する必要はありません。源泉徴収票の「支払金額」や「給与所得控除後の金額」部分を見れば、自分の給与収入や給与所得を確認できます。

2ヶ所以上から給与を受け取っている場合、まずはそれぞれの源泉徴収票の「支払金額」をすべて合わせて給与収入の合計を求めましょう。この合計金額をもとに、給与所得控除や給与所得の金額を求めます。
給与収入額別 – 給与所得控除の計算方法(令和8年・令和9年分)
| 給与収入額 | 給与所得控除額 |
|---|---|
| 850万円~ | 195万円 |
| 660万円~850万円 | 給与収入 × 10% + 110万円 |
| ~660万円 | 別表第五(または特例計算表)に当てはめる |
「~」は「超~ 以下」
なお、給与所得控除は2026年分から改正されています(本記事は改正後の内容です)。2026年分〜2027年分は特例により、給与所得控除の最低保障額が74万円となっています。




