給与所得の計算に出てくる「給与所得控除」とは?

更新日: 2026/04/15
給与所得の計算に出てくる「給与所得控除」とは?

給与収入(いわゆる年収)から「給与所得控除」を差し引いたものが、給与所得です。この控除額は、その人の給与収入額に応じて異なります。計算結果は基本的に源泉徴収票を見ればわかるので、自分で計算する必要はありません。

目次

    給与所得控除とは?

    会社員などの給与所得者は、給与収入(年収)から「給与所得控除」を差し引いて給与所得を求めます。所得税などの税金は、この給与所得をもとに算出することになっています。一定額までは、給与収入が多いほど給与所得控除額も多くなります。

    【早見表】給与所得控除額の一覧(2026年・2027年分)

    給与収入額 給与所得控除額
    850万円~ 195万円
    660万円~850万円 収入金額 × 10% + 110万円(176万~195万円)
    360万円~660万円 収入金額 × 20% + 44万円(116万~176万円)
    220万円~360万円 収入金額 × 30% + 8万円(74万~116万円)
    ~220万円 74万円

    「~」は「超 ~ 以下」

    上の表は、2026年分と2027年分のものです。物価高に対応するための特例が適用されており、給与所得控除の最低保証額が74万円に増額されています。2028年分からはこの特例がなくなり、最低保障額が69万円に下がる可能性があります。
    参考:2028年分以降の給与所得控除(恒久的な制度)
    給与収入額 給与所得控除額
    850万円~ 195万円
    660万円~850万円 収入金額 × 10% + 110万円
    360万円~660万円 収入金額 × 20% + 44万円
    約203万円~360万円 収入金額 × 30% + 8万円
    ~約203万円 69万円

    ※ 特例分の5万円がなくなるため、220万円以下の層では控除額が小さくなります。

    給与収入が660万円未満の場合、上表で求められる給与所得控除額はおおよその金額です。ぴったり正確な金額を知りたい人は、後述の「別表第五」や「特例計算表」を参照してください。

    なお、ここでいう給与収入とは、会社から受け取った給与や賞与など収入の合計金額のことです。源泉徴収票でいうところの「支払金額」部分の金額を指します。2ヶ所以上から給与を受け取っている場合は、すべて合計した金額で考えましょう。

    給与収入と給与所得はどこか - 源泉徴収票

    とはいえ、給与を1ヶ所からしか受け取っていない人は、自身で給与所得を計算する必要はまずありません。給与所得の金額は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」部分で確認できます。計算が必要となるのは、複数の会社から給与を受け取っている人です。

    ① 年収220万円以下の場合 – 特例計算表で確認する

    給与収入(年収)が220万円以下の場合、給与所得の金額は、以下の特例計算表をみれば分かります。この表に給与収入を当てはめることで、自身の給与所得を確認できます。計算をする必要はありません。

    2026年・2027年の特例計算表(給与収入69.1万~220万円)

    給与収入額 給与所得の金額
    69万1,000円以上~74万1,000円未満 0円
    74万1,000円以上~219万1,000円未満 収入金額 − 74万円
    219万1,000円以上~219万3,000円未満 145万1,000円
    219万3,000円以上~219万6,000円未満 145万3,000円
    219万6,000円以上~220万円未満 145万6,000円

    ② 年収220万~660万円の場合 – 別表第五で確認する

    給与収入220万円以上660万円未満の場合は、国税庁の「所得税法 別表第五」で給与所得を確認します。この範囲では特例による変更はなく、表に給与収入を当てはめるだけで給与所得がわかります。

    所得税法 別表第五(令和2年分)※一部抜粋

    所得税法別表第五

    令和2年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表(国税庁)

    上表内の「給与等の金額」は給与収入、「給与所得控除後の給与等の金額」は給与所得を指します。たとえば給与収入が210万円の場合、表内の赤枠部分を参照すると、給与所得は「132万5,600円」とわかります。

    上の別表第五は令和2年分のものですが、給与収入220万円以上660万円未満の範囲では令和8年(2026年)も同じ金額が適用されます。

    ③ 年収660万円以上の場合 – 給与所得は計算でもとめる

    給与収入(年収)が660万円以上の場合、給与所得が別表第五に示されていないので計算が必要です。給与収入から給与所得控除額を差し引いて、給与所得の金額を求めましょう。給与所得控除の金額は、自身の給与収入を以下の表に当てはめることで求められます。

    給与収入と給与所得控除(令和8年分以降) – 給与収入660万円超

    給与収入額 給与所得控除額
    850万円~ 195万円
    660万円~850万円 収入金額 × 10% + 110万円

    「~」は「超 ~ 以下」

    計算例

    給与収入700万円の場合、給与所得控除額と給与所得額は下記の通りです。

    700万円 × 10% + 110万円 = 180万円(給与所得控除)
    700万円 - 180万円 = 520万円(給与所得)

    特定支出控除について

    給与収入から差し引けるのは、給与所得控除だけではありません。その年に会社員が自腹で支払った「特定支出」の合計金額が、給与所得控除額の2分の1を超える場合、この超過分を給与所得から差し引くことができます。この制度を「特定支出控除」といいます。

    とはいえ、この特定支出に当てはまる費用は、会社側が負担してくれることも多いです。そのため、特定支出控除の対象となるケースはそう多くありません。

    特定支出として認められる費用

    • 通勤費
    • 転居費(転勤に伴うもの)
    • 研修費
    • 資格取得補助費
    • 帰宅旅費(単身赴任に伴うもの)
    • 勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費など)※上限65万円

    特定支出控除の適用を受けるためには、その年の確定申告で、勤務先の発行する「特定支出に関する証明書」の提出が必要です。

    まとめ

    給与所得控除の計算方法は、その人の給与収入によって異なります。ただ、1ヶ所のみから給与を受け取っている人なら、自分で計算する必要はありません。源泉徴収票の「支払金額」や「給与所得控除後の金額」部分を見れば、自分の給与収入や給与所得を確認できます。

    給与収入と給与所得はどこか - 源泉徴収票

    2ヶ所以上から給与を受け取っている場合、まずはそれぞれの源泉徴収票の「支払金額」をすべて合わせて給与収入の合計を求めましょう。この合計金額をもとに、給与所得控除や給与所得の金額を求めます。

    給与収入額別 – 給与所得控除の計算方法(令和8年・令和9年分)

    給与収入額 給与所得控除額
    850万円~ 195万円
    660万円~850万円 給与収入 × 10% + 110万円
    ~660万円 別表第五(または特例計算表)に当てはめる

    「~」は「超~ 以下」

    なお、給与所得控除は2026年分から改正されています(本記事は改正後の内容です)。2026年分〜2027年分は特例により、給与所得控除の最低保障額が74万円となっています。

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